料理上手なクリエイター夫妻とフラットな空間|お宅拝見

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料理上手なクリエイター夫妻とフラットな空間

目 次
  1. 1コンロとダイニングテーブルを一体化したフラットなキッチン
  2. 2用途や気分に合わせ、家族の距離感にグラデーションを生み出す間取り
  3. 3成功する物件選びの秘訣はリノベで変えられない部分の見極め

ランドスケープデザイナーのご主人とイラストレーターの奥さま、2歳の男の子の3人で暮らすMさんご家族。約86㎡の中古マンションをリノベーションした空間は、コンロと作業台、ダイニングテーブルがフラットにつながるキッチンを中心とした構成。段差や線が少ないシンプルなデザインにこだわり、Mさんご夫妻も壁の塗装や収納造作など、多くの部分をDIYで仕上げました。見た目はもちろん、暮らしやすさや使い勝手もしっかり考えた家づくりについて聞きました。

料理上手なクリエイター夫妻とフラットな空間

コンロとダイニングテーブルを
一体化したフラットなキッチン

——ゆったりと配置されたキッチンが家の中心になっていますね。とても広いLDKですが、半分近くはキッチンが占めているように感じます。お二人とも料理がお好きなのでしょうか?

奥さま 私も料理好きなのですが、主人も私と同じくらい料理ができます。ケーキなどのお菓子づくりは主人のほうが上手。平日は主に私が料理をしていますが、休日は二人でキッチンに立つことが多いので、二人で行き来しても余裕のあるスケール感でキッチンをつくりたいと思っていました。子どもが生まれる前は、友達を呼んでフレンチやイタリアンのフルコースをつくってもてなすのも趣味の一つでした。

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——シンクが壁側でコンロがテーブル側に分かれたⅡ型のキッチンになっていますが、使い心地はいかがですか?

奥さま 一人がコンロを使って、もう一人が包丁でカットするなど、作業を分担して使うことができてとても快適です。コンロとシンクを振り返るように行き来する動線も便利。またダイニングテーブルを挟んで動線が2本あり、回遊できるため、すれ違う時のストレスがなく、子どもものびのびと過ごしているように感じます。

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——ダイニングテーブルとコンロを一体にして、フラットにつなげるというアイデアはどこから生まれたのですか?

ご主人 コンロと作業台を少し高くして、段差をつけることも考えたのですが、使い勝手も見た目も分断されてしまうのがもったいないと感じました。全体的にできるだけフラットに、線を少なくしてシンプルですっきりとした空間にしたかったので、一体化させることにしたのです。

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——食洗機やオーブンも海外製の大型のものを選ばれていますね。

ご主人 調理の幅が狭くなってしまうことは避けたかったので、設備類は妥協せずにしっかり予算をかけました。AEGの電気オーブンは、ガスオーブンと比べても遜色ない火力ですし、コンフィなどを作るときに60〜80℃など低音で調理ができる点はガスにはない利点です。庫内が広いので大きな鍋をそのまま入れて料理することも多いです。食洗機も鍋を洗えるものがよかったので大型のAEGを選びました。

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——壁側の上部はオープンな棚、下部にも引き出しが充実していて収納力も抜群ですね。

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ご主人 キッチンの引き出しなどのシステムはIKEAのものを採用し、表面の仕上げだけ造作しています。上部の棚はDIYです。棚板はラバーウッドの集成材で、ロの字の棚受けは金属製のものを特注して製作してもらいました。上部の棚には日常的に頻繁に使うものでデザインもよいものを置いています。一方で隠す収納も十分にないと成り立たないと考えていて、隠すものはしっかり隠せる収納を目指しました。ニッチに棚をつくり、使い勝手を考えて後からDIYで棚や引き出しなどもいくつか追加しました。私が料理をするので、マグネットラックやペーパーホルダーなど、細かいところまで最適な位置に設置できていると思います。

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用途や気分に合わせ、家族の距離感に
グラデーションを生み出す間取り

——LDK以外の空間については、玄関側に土間と一体となったワークスペースと、完全に個室として仕切った寝室がありますね。この間取りはどのように決めていったのですか?

ご主人 LDKは家族が一緒に過ごす場所ですが、それだけではなく、一人で集中できる場所やこもれる場所を設け、家族の距離感にグラデーションが生まれる間取りになるといいなと思っていました。ワークスペースは一人で集中して仕事や勉強ができる場所。大人だけでなく子どもが勉強する場所としても多目的に使っていければと思い、土間と一体化させてオープンな空間としました。玄関も広々として明るくなり一石二鳥です。仕切りたい時はカーテンで仕切れるようにしました。玄関の左側の引き戸の先はウォークインクローゼットと寝室があります。寝室の手前にはもう一つ引き戸を設けました。ワークスペースや寝室がエスケープできる場所としてあることで、気分や用途に合わせて居場所を選べる家になっていると思います。

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——LDKと室内窓でつながっているボックス型の個室が将来の子ども部屋ですね。

奥さま 子ども部屋は、引き戸を開けていればキッチンから中の様子が見えるようになっています。家族が増えた場合、となりにもう一つ個室をつくることができるように照明やスイッチの配置なども考慮してもらいました。勉強はダイニングテーブルやワークスペースでもできるので、子ども部屋はベッドが置けるだけのスペースがあればいいと考え、最小限のスペースとしています。

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——子ども部屋の壁はカラフルな色で塗装されていますね。

奥さま ここは引っ越し後にDIYで塗装しました。キッチンは木、壁・天井は白など、シンプルな色合いがベースとなっていますが、子ども部屋はアクセントとして思い切った差し色を入れたいと思ったのです。空間の写真を撮って、グラフィックソフトで色をよく検討して、ブルーグレーとイエローの塗料をセレクト。大変でしたが楽しい作業でもあり、リノベーションならではの経験ができたと感じています。

ご主人 色については、キッチンや洗面室の壁にグレーのタイルを貼り、キッチンや家具の木の色味とトーンを合わせました。棚受けや取っ手を黒のスチールにしたことで引き締まった印象になっていると思います。その延長で、近々ダイニングテーブルの上のペンダントライトも、黒で着色された真鍮製のものに変更する予定です。プレーンな素材感ながらも所々に黒を入れることで、印象が洗練され、より居心地が良くなるのではと感じています。

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成功する物件選びの秘訣は
リノベで変えられない部分の見極め

——Mさんご夫妻がリノベーションをしたのは、大倉山駅の近くにある築46年の約86㎡の中古マンションですが、この物件を選んだ決め手を教えてください。

ご主人 管理状態がよく、植栽の緑も豊富でとても印象がよかったのです。築年数は経っていますが、1981年以降の新耐震基準に適合することも確認できました。単純な築年数だけで見るのではなく、立地や予算、建物の状態など複合的に考え、理想的な物件を選ぶことができたと感じています。物件探しの段階からコンサルタントの飯田さんに相談し、リノベーション前提の物件の見方を教えてもらうことができ、何をチェックすべきかが明確になったことがよかったです。とくにリノベーションで変えられない、駅からの距離、管理状態、周辺環境を重視することは大切。実際に住み始めてからも、周辺の街の雰囲気は重要だと感じています。

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——大倉山エリアは希望していた地域だったのですか?

ご主人 以前は元住吉に住んでいて気に入った街だったのですが、同じ沿線で探して3つ南下した大倉山でこの物件に出会いました。妻も私も、住む街はとても重要という共通認識を持っていたので、新丸子〜反町の各駅を実際に歩いてみて街探索をし、大倉山の雰囲気や利便性が良いことを知りました。大倉山は駅前の商店街が充実していて、こだわりを持つベーカリー、コーヒーショップなどがあります。日常的に料理を楽しみ、美味しいパンやコーヒーをいただくことは妥協したくなかったので、このエリアで物件がみつかってよかったと感じています。

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奥さま この家に引っ越してすぐに息子が生まれました。元住吉で暮らしていた時は夫婦二人だったので、カフェやレストランに行く機会も多く、とても楽しく暮らしていたのですが、今は子育てが中心の生活になっています。大倉山は公園がたくさんあり、病院や学校なども充実していますから、今の私たち家族の生活に最適なエリアなのかもしれません。

——物件探しからリノベーションまで、リビタのワンストップサービス「リノサポ」を利用した家づくりを経験されていかがでしたか?

ご主人 マンションの躯体によって間取りなどに制約が出るケースがあることなど、知らないことが多い中で、物件探しからパートナーとして必要な情報提供やサポートをしてもらえたと感じています。良い物件を選ぶことができたのも、コンサルタントの飯田さんと一緒に自分たちが望むものを考えられたから。自分たちでやっていたら、仕事をしながらそこまでの情報のリサーチをすることはできませんでした。設計者とともに私たち夫婦の住まい方に合わせて設計を進めていくことは、とても楽しい作業でした。住まいとは、住み手にとっては生活を支える器。リビタ、設計者、工務店の方々がチームとなり、私たちを引き立てる最適な器を用意してくれたと感じています。

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