50㎡台のワンルームと都会のミニマムな暮らし|お宅拝見

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50㎡台のワンルームと都会のミニマムな暮らし

目 次
  1. 1フレキシビリティを大切に。既存を活かしたワンルーム
  2. 2家の周囲のインフラも賢く活用。物を減らして、身軽に都会ライフ
  3. 3経験を活かして、プロに任せる。労力をかけずに理想の家をつくる

コーポラティブハウスというスタイルで、15年前に家づくりを経験したNさんご夫妻。2度目となる今回の家づくりは、築12年の築浅で、面積50㎡台のコンパクトな中古マンションを選び、リノベーションをすることにしました。既存を上手く活かしながらも、間仕切りのないワンルームに一新した空間は、猫2匹と暮らす、今のNさんご夫妻にぴったりの快適な住まいになったといいます。

50㎡台のワンルームと都会のミニマムな暮らし

フレキシビリティを大切に。
既存を活かしたワンルーム

——Nさんご夫妻は、既存の1LDKの個室の壁を取り払い、ワンルームにリノベーションされました。寝室も一体となった、個室のない間取りがご希望だったのですか?

ご主人 既存の間取りを見た時、個室の壁だけ取れば、水まわりなどは大きく変えなくても、思い描いていた通りの空間になりそうだと、ぴったりはまった感じでした。以前の住まいも1LDKで、3枚引戸で仕切られていたのですが、ほとんど開け放って暮らしていたので、私たちにはワンルームの方が暮らしやすいと考えていたのです。広く開放的で、フレキシビリティが高い空間であることが大切でした。一部に小上がりをつくるなどのアイデアも出たのですが、自由に家具の配置を変えられるほうがよかったので、シンプルなワンルームに落ち着きました。

奥さま 実際、リビングとベッドスペースを入れ替えることも可能です。私たちは生活の時間帯も同じで、音や光などに敏感なタイプでもないので、寝室を個室にする必要は感じませんでした。猫2匹もいるので、できるだけ広々と自由に行き来できる空間がいいなと思っていましたね。昔から6畳程度の広さの個室には、あまり魅力を感じないのです。

50㎡台のワンルームと都会のミニマムな暮らし

——キッチン、洗面、浴室などの水まわりは、位置もそのままで設備も既存利用されているんですね。

ご主人 築12年と築浅で、十分に使えるコンディションでした。ヴィンテージマンションなども候補にしていたほどで、築浅にこだわっていたわけではないのですが、予算的なこともあるので、使えるものはそのまま使いたいとお願いしました。水まわりの変更には大きな予算がかかり、水まわりに手を入れたら他で妥協することになりますからね。家具なども以前の家から引き続き使っているものがほとんどです。気に入って買ったものなので、使い続けたいと希望しました。

奥さま キッチンはタカラスタンダードのシステムキッチンが入っていましたが、天板やシンク、コンロなど、部分的に新しいものに交換しています。木目調の面材は問題なかったのでそのままです。洗面はボウルも下部収納の面材もそのままですが、取っ手だけ変えてもらいました。キッチンも洗面も、壁にタイルを貼ったことで、雰囲気は大きく変わったと思います。

50㎡台のワンルームと都会のミニマムな暮らし
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ご主人 玄関の収納も、扉を含めて既存利用ですが、取っ手があまりピンとこないなあと設計者さんにお伝えしたら、全体の雰囲気に合わせて、取っ手だけ替えてもらいました。それだけで私たちの好みにとても近づいたように思います。できることは限られていたのですが、ちょっとしたことで印象は随分変わるのだなと感じましたね。

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家の周囲のインフラも賢く活用。
物を減らして、身軽に都会ライフ

——以前は、コーポラティブハウスに住んでいたそうですね。なぜ、今回は中古マンションをリノベーションすることにしたのですか?

ご主人 以前は、自分たちの好みに合わせてつくった家で、コミュニティにも恵まれ、とても気に入っていたのですが、2人暮らしで75㎡は広すぎるように感じてきたこと、もう少し都心に住みたいなと思うようになってきたことが大きいですね。まだわかりませんが、今後65歳くらいまで住むかもしれないと考え、都心でエレベーターがあり、猫と暮らせる家という条件で住み替えを考えました。前の家は坂道の途中にあり、4階建てでエレベーターがなかったので、将来的なことも少し意識するようになっていました。条件や予算を考慮して、中古マンションのリノベーションをしたいと思うようになったのです。

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奥さま コーポラティブハウスをつくった時は、まだ20代後半だったので、自分たちのライフスタイルが固まっていなかったのですが、15年暮らしてみて、今の自分たちに本当に必要なものがわかってきて、もう少しコンパクトな家のほうが快適に暮らせそうだと感じていました。所有物も多くなり、使っていないものもたくさんあり、少し持て余していたのかもしれません。この家の面積は57㎡強ですが、なるべく物を減らして、シーズンオフのものや布団、スーツケースなどは近所のトランクルームを活用して、すっきりと快適に暮らせています。手狭感はなく、ちょうどいい面積になったと感じていますね。

50㎡台のワンルームと都会のミニマムな暮らし

ご主人 都心だからできることだと思いますが、引っ越しを機にクルマや自転車も手放し、レンタカーやレンタサイクルなど周辺のインフラを利用しています。どこへ出かけるにも便利で、時間が有効に使えるようになりました。休日は二人でランニングをしていますが、皇居まで2kmほどなので、ちょうどいいコースになっています。新宿区というと大都会のイメージですが、古くからある飲み屋街なども近く、地域に根付いたコミュニティもあり、気取らない雰囲気で住み心地も気に入っています。やはり自分たちには都会のコンパクトな暮らしが合っていると、改めて感じますね。

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経験を活かして、プロに任せる。
労力をかけずに理想の家をつくる

——リノベーションの設計や仕上げなどは、どのように進めていったのですか?

奥さま 実は設計を決めている時期にとても多忙になってしまい、設計担当である「キャンプサイト」の勝又みづきさんに、おおまかに希望をお伝えし、ほとんどお任せで進めてもらいました。前の家が濃いブラウンを基調としていて少し暗い雰囲気だったので、明るめの色味にして欲しい、ドアに猫用の出入口とキャットウォークをつくって欲しい、といった要望をお伝えしたくらいでしょうか。

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ご主人 明るくてやわらかな印象のテイストが気に入って、勝又さんにお願いしました。ざっくりとしたリクエストにもよく応えていただいて、細かなパーツ一つとっても、私たちの好みに合うものを提案してくれたので、安心してお任せできました。時間や労力をほとんどかけずに、理想通りの空間をつくることができたと思います。

奥さま 途中でインターフォンの位置がどうしても変更できないことが分かったのですが、柱を残し、麻紐を巻いて猫の爪とぎ用の飾り柱にするという、ユニークなアイデアを提案してくれて嬉しかったです。猫たちも気に入って使っています。

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——リノベーションをスムーズに進めるためのコツなどはありますか?

ご主人 施主として決断するタイミングなどは、コーポラティブハウスをつくった時の経験が活きていると思います。自分たちのセンスの限界やリサーチの難しさ、プロの方が薦めてくれるものの良さなど、やってみたから分かったことも多いのです。プロの方にお願いできることは思い切ってお任せするのも、家づくりをスムーズに進めるコツの一つだと感じています。

奥さま コーポラティブハウスをつくった時は、本当にじっくり時間をかけて、悩み抜いてつくりました。悩もうと思えばいくらでも悩めてしまうのが家づくりです。その時と比較すると、今回はとても肩の力の抜けたリノベーションをすることができました。それが良い結果につながったと思いますね。

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ご主人 新築で家を建てても15年も暮らすと、それなりに傷みなどが出てくることも経験しています。やはりメンテナンスは必要。家は数年ごとに手を加えるものとして、最初から完璧につくろうとしなくてもいいのではないでしょうか。この家でも数年暮らしたら、水まわりの設備なども少しずつ変えていきたいと思っています。それも将来の楽しみの一つですね。

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