お宅拝見

3兄弟と60㎡台の暮らし<1/3>

共働きで10歳、7歳、4歳の3兄弟を育てるHさんご夫妻。60㎡台の中古マンションをリノベーションして、5人家族で暮らしています。寝台列車のような楽しげな子ども部屋、紙飛行機が飛ばせる通路、動線上にあるオープンな洗面スペースなど、子育てのアイデアと子どもたちがおおらかに暮らせる工夫がいっぱいの家づくりについて、奥さまとリビタのリノサポの担当コンサルタント、山田笑子さんにお話を聞きました。



家全体がゆるくつながる間取り
ドアのない立体的な子ども部屋


——玄関からLDKへと続く通路の両側に、寝室と子ども部屋がありますが、ドアなどはなく、全体がゆるやかにつながったワンルーム状態になっていますね。
 
奥さま ドアがあるのはトイレと脱衣室だけです。子どもたちが動きまわれて、行き来しやすく、広さも感じられるので、最初からドアは不要だと思っていました。前の住まいでもドアはずっと開けっ放しで、襖をはずしてワンルームにして暮らしていましたから。
 
——子ども部屋は袖壁で2つに分かれていて、つくり付けのロフトや2段ベッドなどで立体的につくられています。それぞれに窓もあり、ドミトリーや寝台列車のような空間でとても楽しそうです。
 
奥さま 10歳の長男がロフトのあるほうを一人で使い、7歳の次男と4歳の三男が2段ベッドのあるほうを使っています。子ども部屋は、勉強ができるデスクと寝る場所、教材を置くスペースの最小限の面積があればいいと考えていました。立体的な空間は「男の子は2段ベッドへの憧れがある」という主人の意見がもとになっています。子どもが独立した後のことを考えると、あまりつくり込みすぎないほうがいいので、つくり付けのロフトは一つで、一方は既製品の2段ベッドを置いています。子ども部屋と寝室にドアはないのですが、ロールスクリーンで仕切れるようになっていて、不便さは感じません。快適過ぎず、自立心を促す子ども部屋にしたかったので、ちょうど良いバランスになっていると思います。
 

 
山田 Hさんご夫妻は、個室よりも、家族がみんなで集まる場所を大切にしたいという優先順位を明確にお持ちでした。結果、子ども部屋は思い切ってコンパクトに。玄関や通路、メインのLDKを広くすることができました。常識にとらわれず、ご自分たちの暮らしにしっかり向き合っていることが伝わってきましたね。
 
奥さま 通路は動線でもありますが、子どもたちの遊び場でもあります。走り回ったり、紙飛行機を飛ばしたり、空間をくまなく使って遊んでいますね。子ども部屋にもデスクはありますが、今は勉強もリビングでしています。子どもにとっては家中が自分の居場所のようなものかもしれません。
 
——洗面室が脱衣室の中ではなく、通路上に配置されているのも使いやすそうですね。
 


奥さま 洗面やトイレは、どっちが先と喧嘩になりやすく、毎朝渋滞が起こる場所。狭い脱衣室の中に入れてしまうと、より競い合いが激しくなりそうでした。通路上にあれば、帰宅して手洗いしてリビングへという流れがスムーズになります。結果的に朝は、3兄弟が鏡の前に並んで歯磨きをするようになりました。気づいた時にさっと掃除もできて機能的。脱衣室内には運動靴や汚れたものを洗えるマルチシンクもあるので、混み合っていて急いでいる時はそちらも使えて便利です。


間取り・プランを見る

  • 専有面積: 66.9㎡
  • 間取り: 2LDK
  • 既存建物竣工年: 1997年
  • リノベーション竣工年: 2016年

南向きのバルコニー側に最大限に広く取ったLDK。玄関とLDKをつなぐ通路の両側に、袖壁で仕切った2つの子ども部屋、寝室が並ぶ。子ども部屋と寝室は扉がないオープンな造りで窓もある。玄関側の長男が使う子ども部屋にはロフトも造作。寝室の隣にはウォークインクローゼット。その近くにトイレを設けた。LDKはアイランドキッチンを中心に回遊できる。

PROJECT MEMBER

  • 株式会社リビタ 
    「リノサポ」コンサルタント 山田笑子


    一級建築士/二級建築士 建築設計事務所を経て、2015年よりリノサポコンサルタントへ。 設計事務所での経験を活かした、“お客様の要望+アルファ”のプラン提案が得意です。ライフワークは「ねこ」。ねこと暮らす家の実績もございます。また、保護ねこ団体さんでのボランティアも行っています。