お宅拝見

いけばなの棚と小屋のような梁<1/3>

ともにシステムエンジニアとして多忙な日々を送るKさんご夫妻。トレッキングやランニングが趣味のご主人と、いけばなの師範である奥さまは、自然や植物が好きで、緑が豊かで都心にも近い三鷹エリアで、中古マンションをリノベーションしました。木造家屋のような梁やいけばなの専用棚など、お二人の好みとライフスタイルにぴったり合った空間づくりについて、お話を聞きました。



予算調整のプロセスでも
全員一致で残した天井の梁

 
——鉄筋コンクリートのマンションなのに、LDKの天井には木造の家のような梁が走っています。この斬新なアイデアはどこから生まれたのですか?
 
奥さま ドライフラワーや植物など、いろいろなものを吊るしたいという希望から、このアイデアが生まれました。初期の打ち合せで、やりたいことを全部お伝えして、そこから予算を合わせていったのですが、普通に考えれば、天井の梁は生活に必要な機能ではないから、まっさきに削るポイントになってしまうところです。でも、リノベーションだからできる装飾的な工夫を盛り込みたいという気持ちが強く、この家のデザイン的なポイントにもなる部分。どうしても削りたくないという方向で、私たちと設計者の意見が一致しました。結果、玄関や廊下の収納は既存を活かしたり、フローリングを既存の床の上から張ったりなど、細かい調整を積み重ね、予算面もクリアすることができました。




 
ご主人 山が好きでトレッキングによく行くのですが、この梁はどことなく山小屋のような雰囲気もあり、親しみがわきます。斜めに走っているので、空間の広がりも感じますね。予算を調整するプロセスを経験し、予算をかけるところ、かけないところを自分たちで細かく決められるのも、リノベーションの魅力だと感じました。何を残して何を諦めるか、選択は無数にあって何を選んでも自由。長時間の打ち合せは大変でしたが、一つひとつ決めていくことで、自分たちだけのオリジナルな空間ができていくのですね。
 
——梁は木目が特徴的なラーチ合板。木造の家の構造にも使われる材料です。この合板の印象もあり、とてもナチュラルに仕上がっていますね。
 
奥さま 合板は荒々しくなるのではと思ったのですが、意外としっとりとしていい雰囲気で気に入っています。私の趣味はいけばな、主人の趣味はトレッキングやランニング。二人とも植物や自然が好きで、天然の木や素材感のあるテイストが好きだったので、インテリアにも盛り込みたかった。そのような好みを反映した空間になっていると思います。



——壁にグレーやブルーなどの色味を取り入れているのもポイントですね。
 

奥さま LDKは一面だけグレーに、洗面室やトイレはブルー、寝室は水色。LDKの一角にある作業スペースの正面は黒板塗料、ウォークインクローゼットの外側は漆喰で、これらはDIYで塗りました。せっかく自分たちで選べるので、色を取り入れたいと思っていたのですが、LDKは冒険しきれなかった感がありますね。暮らし始めてからは、落ち着いた雰囲気になり、ちょうどよかったと感じています。カラフルな花や植物を飾ることも多いので、背景としてはグレーで正解。トイレや洗面は思い切って好きな色を選びました。


 

間取り・プランを見る

  • 専有面積: 57.91㎡
  • 間取り: 1LDK
  • 既存建物竣工年: 1998年
  • リノベーション竣工年: 2016年

玄関を入るとすぐ左手に寝室。既存を活かした下足棚、収納がある廊下沿いの右手に水まわりがある。ドアの向こうはLDKで、一角にデスクを備えた作業スペース、ウォークインクローゼットがある。ウォークインクローゼットは壁の上部が抜けており、梁が連続しているため圧迫感が抑えられている。キッチンから水まわりへのアクセスも可能。

PROJECT MEMBER

  • 株式会社リビタ 
    「リノサポ」コンサルタント 与那覇侑哉


    宅地建物取引士/インテリアコーディネーター/カラーコーディネーター 建材メーカーに入社後、商品の開発に携わる。その後、リノベーションの設計・施工管理会社を経て、2013年よりリノサポコンサルタントへ。 「理想の暮らし」や「将来の自分に合う暮らし」をお客様一人ひとりと向き合いながらヒアリング。要望を聞くだけでなく、お客様に最適な暮らしをご提案いたします。自身のリノベーション経験も交えながら、お客様が楽しく納得して進めていけるコンサルティングを心掛けています。