お宅拝見

明るいアトリエと開放的な居室空間<2/3>



多彩な表情を見せるグレーと
アクセントの真鍮パーツ


——リノベーションの設計はどのように進めていったのですか?
 
オタニさん:この家が販売されていた時に、モデルプランが一緒に提案されていました。そのプランがすごくいいと思ったので、それをベースにしています。そのプランを見て、限られた面積の中でアトリエとプライベートを無理なく分けることができそうだとイメージできました。まったく基準がないと考えるのが大変だと思うのですが、この物件の場合は、壁式構造で壊せない壁と、モデルプランがあったので、それを糸口にしてスムーズに進めることができました。
 
——全体的にシンプルで静かな雰囲気の空間だと感じますが、仕上げの素材やテイストなどは、どのように決めていったのですか?



オタニさん:建物の雰囲気に合わせて、少しヴィンテージ感のある落ち着いたテイストを希望していました。あまりやりすぎない感じがよかったんです。過去に事務所をDIYでリノベーションした経験があるのですが、その時に色について考えて、真っ白では落ち着かないし、黒だと重いので、グレーにすると面白いのではないかという感覚がありました。アトリエのタイルの床やガラスの木製フレームの色をはじめ、バーチの積層合板で造作した下足棚やキッチンなどもグレーを選んでいます。これらの造作家具は、グレーの水性塗料を塗布し、木目が透けるような仕上がりにしました。合板の種類や仕上げ方は、設計を担当していただいたアラキササキアーキテクツ(以下、A+Sa)の提案によるものです。造作家具の塗装は、A+Saの工房に行って、私も参加してDIYで行いました。

壁と天井は暗くなりすぎないように、白の塗装風クロスにしましたが、少しグレーがかった白をセレクト。床はオークのフローリングで木の質感をプラスしました。いろいろなトーンのグレー、素材が組み合わさり、多彩な表情が楽しめるグラデーションのある空間に仕上がったと思っています。グレーだけど冷たい感じではなく、温かみややわらかな印象もあり、居心地もとても良いと感じています。
 
奥さま:キッチンの壁はタイルにしたいとリクエストして、白い横長のタイプを選び、目地がまっすぐになるシンプルな張り方に。目地の色もグレーにしました。



——把手などのパーツには真鍮のものが使われていて、良いアクセントになっていますね。
 
オタニさん:真鍮も好きなマテリアルの一つです。その他の素材との相性も良いので、シンプルなデザインのものを探してコーディネートしました。玄関から続く廊下とLDKの間にあるガラスのドアの把手は、真鍮のフックを逆向きにして転用しています。タオルハンガーは「FUTAGAMI」というブランドのものや、A+Saのオリジナルデザインのものなどをセレクトしました。



 

間取り・プランを見る

  • 専有面積: 72.73㎡
  • 間取り: 3LDK
  • 既存建物竣工年: 1977年
  • リノベーション竣工年: 2017年

玄関を入ると左側にガラスの間仕切りがあり、オタニさんのアトリエがある。右側は水まわり。ガラスの扉の先にはLDK。キッチンとリビングダイニングの間には袖壁と梁があり、ゆるやかに分かれている。LDKに隣接して個室が2つあるが、引戸で開け閉めすることができ、普段は開け放してワンルームのように使っている。

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