家族の小上がりと朝型生活|お宅拝見

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家族の小上がりと朝型生活

目 次
  1. 1欲しい機能を全部詰め込んできれいに収めた効率的な間取り
  2. 2小上がりの寝室が理想的なライフスタイルをつくってくれた
  3. 3レンガやコンクリートの現しなど、素材感のある仕上げをポイントに

吉祥寺駅から徒歩18分ほどの立地に、ケヤキ並木を見渡す築45年の中古マンションを購入し、リノベーションしたKさんご夫婦。4歳の娘さんの子育ての場として、安心して長く暮らせることを重視し、物件と環境を選んだ。家族がいつも一緒に過ごす、畳の小上がりがあるLDKを中心とした家づくりについてお聞きしました。

家族の小上がりと朝型生活

欲しい機能を全部詰め込んで
きれいに収めた効率的な間取り

——広いLDKの中心にはオープンなキッチン、そして畳の小上がり。将来の子ども室やワークスペースなどの空間のゾーニングはされていますが、扉などはなく、家全体が一つにつながっていますね。

奥さま:キッチンを真ん中に配置して、暮らしの中心となる場所にすることを希望していました。最初は全部オープンにしたかったのですが、油はねなどのメンテナンスのことも配慮し、コンロの前には壁をつくってもらい、キッチン側はタイルを張っています。コンロ側には調味料などを収納できるニッチもつくっていただき、とても使いやすくて気に入っています。

家族の小上がりと朝型生活
家族の小上がりと朝型生活

ご主人:畳のスペースも欲しいとリクエストをしました。それから朝は太陽の光を浴びて起きたいとも。さらに、妻が資格取得のための勉強をしているので、集中できるワークスペースも欲しいと、いろいろな希望があったんです。60㎡強の空間にそれを全部詰め込まないといけないので、設計は大変だったと思うのですが、一つも諦めることなく、きれいに効率的に収めていただきました。

——寝室は設けず、畳の小上がりに布団を敷いて、ご家族で就寝されているのですね。

家族の小上がりと朝型生活

ご主人: そうです。朝起きて布団をしまえば、スペースを有効活用できますから、そのほうがいいなと思いました。寝室を個室にすると、かなりのスペースが寝るためだけしか使えなくなるので、もったいないなと感じます。この畳のスペースはリビングの一部として子どもと遊んだり、寝転がったりできて、我が家ではものすごく活用している場所です。

奥さま:小上がりの下は収納になっています。キッチンの背面も棚にも大容量の収納があって、使いやすいところも便利なんですよ。

家族の小上がりと朝型生活

小上がりの寝室が理想的な
ライフスタイルをつくってくれた

——水まわりを除けば、引戸があるのは玄関から続く通路とLDKを分ける1カ所だけですね。子ども室やワークスペース、また畳の小上がりにはあえてドアや引戸をつけなかったのですね。

ご主人: 部屋にこもってそれぞれが過ごすのではなく、家族がどこにいても気配を感じられる家がよかったので、ドアはつけなくて正解でした。

家族の小上がりと朝型生活

奥さま; 仕切りをつけると狭く感じますし、開け閉めのワンアクションがないほうがスムーズに動けるのではないかと思いました。実際に暮らしてみても、ストレスフリーです。小上がりは寝室として使うので、引戸かカーテンで仕切ったほうがいいかもしれないという気持ちもあったのですが、やっぱりLDKの開放感を優先。結果的にまったく気にならないので、つけなくてよかったです。

——ご主人が仕事で遅くなる時など、生活音などが気になるようなことはありませんか?

奥さま: 朝は主人が少しだけ早く起きますが、音などはほとんど気になりません。夜はみんな同じ時間に寝るので問題ないですね。

ご主人:もともと朝型派なのですが、この家に引っ越してきてから、さらに前倒しで生活するようになりました。夜遅くなると家族の睡眠の邪魔になるので、残業しなくてもいいように、朝4時くらいに起きて、早めに出社して定時に帰宅します。融通のきく勤め先だからできることですが、家族で夕飯を食べて、同じ時間に眠ることを大切にしています。もともと超朝型の生活をしたかったので、ちょうどよかった。LDKと寝室が一体化しているこの家が、理想的なライフスタイルをつくってくれました(笑)。

——玄関を入ってすぐのところにつくったワークスペースは、主に奥さまが勉強のために使っているのですか?

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奥さま:そうです。勉強は集中してやりたいタイプ。リビングで子どもの様子を見ながらは難しく感じます。勉強する時は主人に子どもを見てもらって、ワークスペースにこもります。

ご主人: ワークスペースは、本棚も収められるようにつくってもらいました。今は妻の勉強が優先であまり使えていませんが、私は読書が趣味なので、追々好きな本を本棚に並べたいと思っています。

——子ども室のスペースも設けられていますが、お子さまがこのワークスペースを使うという方向でもアレンジできそうですね。

家族の小上がりと朝型生活

奥さま:あまり先のことは固定的に考えていません。ワークスペースは家族みんなで使ってもいいし、娘が使いたいと言えばそうするかもしれませんね。今は広々としたリビングを家族で共有し、集中したい時はワークスペースにこもるというスタイルがとても快適です。

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レンガやコンクリートの現しなど、
素材感のある仕上げをポイントに

——仕上げの素材などについては、どのように決めていったのですか?

ご主人:  コンクリートの打ちっぱなしとか、少し武骨な印象のものが好きだったのですが、全部コンクリートや石だと疲れてしまうので、床はナチュラルなトーンの無垢材で、壁は白いクロスでシンプルにして、ポイントになるところにテクスチャーのある素材を使ってもらいました。暮らしの中心になるキッチンにはレンガを張っています。

奥さま:レンガもいろいろありますが、グレーの瓦のような質感の古材を選びました。ランダムな大きさと張り方も気に入っています。キッチン側の壁の一部は、クロスではなくモルタル仕上げなのですが、ここはクロスをはがしたら出てきた面がキレイだったのでそのまま使おうということになりました。少しクラックが入っているのですが、それもまた味になっています。

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ご主人:天井は躯体のコンクリートを露出させています。実は既存の天井を解体したらアスベストが出てきて…。除去するのは大変なのですが、きちんと手順を踏んで除去したので、安心して暮らせます。除去した状態を見せてもらって、いい感じだったので、クリア塗装してもらいそのまま露出させることにしました。

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——キッチンと一体となったダイニングテーブルも造作家具ですね。

ご主人:空間に統一感を出すためにも、置き家具を購入するよりもつくり付けてもらったほうがいいかなと思いました。天板は床と同じ無垢のフローリング材、脚は鉄です。

——小上がりの畳の色もモダンな雰囲気で、この空間に馴染んでいます。

奥さま:畳はいろいろな色があったので、サンプルを見せてもらい選びました。普通の緑の畳だと和っぽくなってしまうので、全体の空間に馴染む色ということでこげ茶にしたのです。重すぎず軽すぎず、バランスがよい感じに仕上がっていると思います。

——最後にリノベーションの経緯についてお伺いします。Kさんご夫妻は、なぜリビタでリノベーションをすることにしたのですか?

ご主人: 新築マンションや戸建てなども検討しましたが、ピンとこなくて中古をリフォームしようと思って、リノベーション会社をいろいろまわったなかで、リビタのコンサルタントの方が専門的で知識が豊富だったので、お任せしたいと思い、物件探しからお願いしました。

奥さま:でも予算のこともあって、なかなかいい物件に出会えなかったのです。そんななかで、担当の与那覇さんが「もしも何の条件もなかったらどのエリアに住みたいですか?」と聞いてくれて、緑が豊かで落ち着いた場所がいいと思っていたので、「井の頭公園の近くがいい」とお答えしました。そうしたらこの物件が出てきて、窓からケヤキ並木が見えて、周辺の家の借景も良い雰囲気。吉祥寺に住むことは想定していなかったのですが、この抜けのある景色が気に入って決めました。

ご主人:物件については、築年数は古めですが、共用部はとてもきれいで、修繕もしっかりされており、管理状態も良好。住人のみなさんの意識も高く、今後も長く安心して暮らしていけると感じています。

——想定外だったとのことですが、実際に吉祥寺に住んでみて、どのような感想をもたれていますか?

ご主人: とても生活しやすい街だと思います。家から駅まで徒歩18分と少し距離があるのですが、住宅街の路地にもよいお店があったりして、いつも発見があります。日によってルートを変えてみるなどして、楽しめる環境だから遠いとは感じません。

奥さま: 毎日通る道沿いにある八百屋さん、花屋さんなど、個人商店で買い物することも多くなりました。新鮮な旬のものを扱っているので、季節を色濃く感じられるように。店の人とも顔馴染みになって、軽くお話したりするのも楽しいです。

——新しい街での暮らしをとても楽しんでらっしゃるのですね。この家で暮らし始めて、変わったことなどはありますか?

ご主人: 引っ越しする時に、以前の家で使っていた家具などは大半を処分しました。この家で暮らし始めてからは、空間に似合ったものや長く使えるものを、しっかり吟味して購入するようになったと思います。

奥さま:床にものを置かなくなり、空間をきれいに保つことを、楽しみながら自然にできるようになったと思います。家がきれいだと気持ちも落ち着きますね。

ご主人: これからも空間とともに、家具やモノも愛着をもって大切にしていけるように感じています。周辺環境や建物の維持・管理は申し分なく、間取りも子どもの成長に合わせて、いろいろな使い方が考えられる柔軟性があり、私たち家族が長く安心して暮らせる家になったと思っています。

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文:村田保子/撮影:古末拓也
取材・撮影:2018年3月
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