お宅拝見

有機と無機の心地よいリズム<1/3>

「自分たちの暮らしに合わせて好きな空間をつくれるから」という理由で中古マンション購入を選んだOさんご夫妻。自分たちの暮らしにとって大事なものと心地のいいものを重視してリノベーションしたお住まいは、リラックスとアクティブの両方が楽しめる贅沢な空間に。グリーンが映える空間で、おふたりが住まいづくりに込めた思いについて話を聞きました。



異なる居心地と過ごし方を楽しむふたつのリビング
 

ーーO邸は、寝室を中心にふたつのリビングがあるユニークな間取りです。こうした間取りになった理由を教えてください。
 
ご主人:もともとの間取りは2LDKでした。リノベーションのプランを検討中に、今の寝室を囲む室内壁がコンクリート製で壊せないことがわかり、その壁を残しつつできるプランを検討してもらいました。夫婦ともに背が高いので天井高をなるべく確保したかったのですが、水回りを移動すると配管のために床が高くなる可能性があるということで、水回りの位置はそのままで、クローズド型だったキッチンをオープンキッチンにして、洗面や浴室も設備と内装を一新しました。


打放し、斜めに板が貼られた壁、モルタルと無機・有機・無機のリズムがあるセカンドリビング。スチールの格子戸の先は玄関


ーーふたつのリビングは、どのように使い分けているのですか?
 
ご主人:LDKは、リラックスして過ごせることを重視して空間づくりをしました。セカンドリビングは、自転車のメンテナンスをしたり、ギター演奏をしたり、映画を見たり、書道をしたりといった、趣味のアクティビティを楽しむための場所です。僕は、平日が仕事で忙しく、以前は家にいる時間の8割がソファの上という状態で(笑)。くつろぎたい気持ちもあるけど、もっと休日を有効活用するために、家の中にいても趣味の活動ができるような場が欲しかったです。
 
ーー過ごし方が異なるので、インテリアの雰囲気も異なっているのですね。
 
ご主人:セカンドリビングを土間にしたのは、僕のリクエストでした。斜めの板貼りの壁は、遊びに来た人みんなが絶賛してくれます。「この空間、もったいなくない?」と言う人もいますが、そうした「余白を楽しむ」ことも、家づくりのテーマのひとつでした。


板壁側から反対方向を見る。こちら側は、上から打放し、塗りの壁、タイル、フローリングと、違う素材でリズムが


ーー空間づくりはどのように進めたのですか?
 
奥さま:設計は、リビタの『リノサポ』の紹介で出会った、キャンプサイトの勝又みづきさんにお願いしました。何人かご紹介していただいた中で、デザインテイストが一番好みだったのが勝又さんでした。最初の打ち合わせには、自分たちでつくったファイルを持って行きました。

ご主人: 家づくりをするにあたり、暮らしの中で大切にしたいことをキーワードとして抽出して、マインドマップにしました。デザインテイストについても、さまざまなインテリア事例写真に、好きなポイントや好きではないポイント、自分たちならこうしたいといったコメントを書き添えたシートと一緒にファイルにしました


Oさんご夫妻が作成したファイル。空間づくりの大きな指針になったと言います


ーーファイルを拝見すると、キーワードだけでなく、具体的なビジュアルを例に何が良くて何が嫌なのか説明されているので、設計者さんはニュアンスが汲み取りやすそうです。
 
ご主人: ファイルを見た勝又さんが導いてくれたのが、『有機と無機の融合』というテーマでした。そのテーマをもとに、彩度とコントラストを抑えつつ、素材感でメリハリをつけたインテリアづくりが進みました。
 
奥さま: 壁や床、造作部分などの材質や色は「グリーンが映える」ということと、「時間帯や季節によって見え方が変わる」ような素材を選びました。

 

間取り・プランを見る

  • 専有面積: 81.88㎡
  • 間取り: LDK+セカンドリビング+寝室+WIC
  • 既存建物竣工年: 1986年
  • リノベーション竣工年: 2016年

閉鎖的な廊下を経てLDKへと続く元2LDKの間取りを、ひと部屋の壁を取り払い、LDKへの動線を兼ねるセカンドリビングとして、全体を開放的な空間に。水回りは位置変更をするとコストが嵩むこともあり、位置はそのまま、クローズド型だったキッチンを回遊性のあるアイランド型キッチンに変更、浴室・洗面・トイレも設備内装を新たにした。間仕切り壁がコンクリートだった部屋は複雑な形状を生かしつつ、WICを備えた寝室に変貌した。

PROJECT MEMBER

  • 株式会社リビタ 
    「リノサポ」コンサルタント 大嶋亮


    宅地建物取引士/既存住宅アドバイザー兵庫県生まれ。商空間の設計施工会社で営業、現場管理、設計などを経験。その後、建築設計事務所へ転職し住宅・店舗設計を担当。2008年に株式会社リビタへ入社。リノベーションの得意な不動産コンサルタントとして、建築的な知識・目線、不動産知識・経験則を活かした売却戦略や賃貸など中長期的な目線で、一人ひとりに最適な暮らし方や住まい方を提案いたします。
  • 設計

    株式会社キャンプサイト
    勝又みづき