お宅拝見

三角本棚と吹き抜け空間<2/3>



手仕事を感じさせる多彩な仕上げ。
伝統的な和の設えを集めた和室。


——仕上げには印象的な素材がたくさん使われていますね。1階からいきますと玄関ホールと寝室を仕切るガラスの引戸、六角形の磁器質タイルとフローリングなどが目を引きます。
 
ご主人:仕上げは雑誌やインターネットなどから、好きなテイストを集めて納谷さんと共有し、具体的なサンプルを提案してもらいました。イメージしていた通りのものや使いたいと思っていたものをご提案いただき、スムーズに決めることができました。
ガラスの引戸には紙布(しふ)という和紙を紡いだ糸で織り上げた布を挟んでもらいました。透明なガラスのままだと丸見えになってしまうので、何かで隠したかったのですが、光を通すもので、人の気配もかすかに伝わるものがいいと思って、いろいろ探してたまたま雑誌で見つけたんです。玄関の壁のガラスレンガも光を通すけれど、目隠しにもなる素材で気に入っています。
六角形のタイルとフローリングは納谷さんからの提案です。連続性が出るし、ユニークな雰囲気のものを少し取り入れるのもいいかなと感じました。タイルは、夏は冷たくて気持ちいいです。犬たちもお気に入りでよく寝そべっています。


ガラスの引戸に用いられた紙布(しふ)                                             玄関のガラスレンガは柔らかい光を通す


わんちゃんもお気に入りの六角形タイル                                           他ではあまり見ない六角形フローリング
 

——ガラスに挟んだ紙布は、伝統的な工芸品なのですね。寝室の隣の和室にも、手仕事を感じさせる仕上げで構成されていますね。
 
奥さま:和室は客間として使っているのですが、他の空間とは雰囲気ががらりと変わる場所なので、和の雰囲気の上質な素材を使いたいと考えました。入口や床の間などの床にはスプーンカットという加工がされた木を使っています。建具は木目が美しいオリーブで造作してもらいました。壁はスサ入りの珪藻土です。


スプーンカット加工された和室の入口。職人の手によって生まれた紋様が美しい

ご主人:和室の壁につくり付けた棚は黒皮鉄、天井はキリの羽目板です。地窓から眺められるところにヒノキゴケの庭もつくりました。畳や木の香りと伝統的な和の設えを十二分に楽しめる場所になりました。私はたまに和室で寝るのですが、とても心地いいですよ。
 
——玄関ホールの壁は、外壁と同じ素材で仕上げられていますよね?
 
ご主人:外壁はモルタルの質感が好きだったので、それに近いものでクラックが入りにくいものを選んでもらいました。玄関ホールも吹き抜けまで同じ材料にすることで、外と内の連続性が出ていると思います。



 

間取り・プランを見る

  • 専有面積: 199.68㎡
  • 間取り: 2LDK
  • 既存建物竣工年: 1972年
  • リノベーション竣工年: 2017年

玄関を入ると吹き抜けの玄関ホールがあり、左側にはガラス張りの洗面室と浴室。奥に引戸で仕切られた寝室、さらに奥には大容量のウォークインクローゼットが続く。寝室の隣は客間として利用している和室。ゆるやかな曲線を描くスチール製の階段で2階へ向かうと、ワンフロアまるごとLDKが広がる。吹き抜けを囲むように配置されたバルコニーへは2カ所の出入り口があり、回遊性のあるプランとなっている。

PROJECT MEMBER

  • 株式会社リビタ 
    「リノサポ」コンサルタント 大嶋亮


    宅地建物取引士/既存住宅アドバイザー 兵庫県生まれ。商空間の設計施工会社で営業、現場管理、設計などを経験。その後、建築設計事務所へ転職し住宅・店舗設計を担当。2008年に株式会社リビタへ入社。 リノベーションの得意な不動産コンサルタントとして、建築的な知識・目線、不動産知識・経験則を活かした売却戦略や賃貸など中長期的な目線で、一人ひとりに最適な暮らし方や住まい方を提案いたします。