お宅拝見

ゲストルームと海外風の暮らし<2/3>



グレージュを基調に白を効かせた
上品で落ち着いた空間


——リノベーションの設計を進める上で、他にこだわったところはありますか?
 
奥さま:リビングダイニングを眺めながら料理ができる対面式のキッチンにすることです。LDKが一番長く過ごす場所なので、広くて快適な場所にしたいと思いました。キッチンはパナソニックのLシリーズという既製品をセレクトし、リビング側に手元が隠れる高さの収納を造作してもらいました。開放感をキープしつつ、シンクの周辺はリビングからは見えないようになっています。私は身長が高めなので、キッチンの高さも90cmにしてもらいました。



ご主人:キッチンから洗面室へ抜けられる動線があり、回遊性があることも生活のしやすさにつながっています。子ども部屋も引戸を開ければ回遊できます。いろいろな場所で広さとゆとりを感じることができますね。



奥さま:ものが多いので収納もしっかりつくってもらいました。収納量を確保するだけではなく、使いたい場所ごとに収納をつくり、取り出しやすさにも配慮してもらっています。窯元めぐりをするほど器が好きで、食器もたくさんありますし、趣味でカルトナージュやシュガークラフト、押し花などをやっていて、道具類もとても多いんです。シューズクローゼットやウォークインクローゼットも十分な面積を取ってもらいました。
ロボット掃除機を格納する場所として、洗面台の下を想定したので、きっちり収まるように床との間もジャストサイズで空けてもらったんです。配線などあまり見せたくないものが表に出ないように、収める場所を工夫してもらうこともできました。リノベーションで一から設計すると、自分たちの好きな空間をつくれるだけでなく、そういった細かいこだわりにも自在に対応してもらえるのが嬉しいですね。



写真左上/玄関から続くシューズクローゼットも大容量。スーツケースなど普段は使わないものなども収納。
写真右上/寝室の隣にはご夫婦の洋服を納めたウォークインクローゼット。奥さまの着物類なども整理されている。
写真下/ロボット掃除機が入る高さに調整。掃除をしたらきちんと帰って来る


奥さま:玄関は、岩谷堂箪笥の民芸家具を置くために床を一段上げてもらいました。結婚祝いに母が買ってくれたもので、ずっと前から大切にしていたのですが、他のインテリアとテイストが違うのでどこに置けばいいかと思っていたんです。玄関に置くとテイストの違いが逆に活きて、ホテルのディスプレイのような雰囲気にまとまったと感じます。



——仕上げについてもお聞かせください。全体的にペールトーンの優しい色合いで上品にまとめられていますね。
 
奥さま:落ち着いたモダンシックなテイストを目指しました。LDKの壁・天井などの壁紙は、ベースカラーとなるグレージュをセレクト。グレーっぽいトーンですが、少しベージュが入っているので暗くなりすぎないのがいいですね。子ども部屋は少し変化が欲しかったので、トーンを変えて青みのあるグレーにしました。床はうづくり加工を施したオークで、白色の天然塗料で染色されているものです。これは設計者のアトリエエツコの山田悦子さんが推薦してくれました。

最初は前の家で使っていたブラウン系の家具を、引き続き使おうと思っていたので、床の色もそれに合わせるつもりだったのですが、家具は新しいインテリアに合わせて新調することになり、床も造作家具などに合わせて選び直しました。実はまだ前の家具を使っていて、インテリアが合っていないところもあります。ダイニングテーブルやチェアなどはファブリックを使って、一時的に雰囲気を合わせています。暮らしながら空間に合った家具を探していこうと思っています。
 
ご主人:この床は山田さんからの提案がなければ、自分たちでは選ばなかったものかもしれませんが、仕上がった空間にはとても馴染んでいますし、なんとなく高揚感をもたらしてくれる気がして、とても気に入っています。



奥さま:寝室の壁の一面にアクセントとして、ストライプの壁紙を採用しました。カーテンは「マナトレーディング」、寝室と子ども部屋の窓は「ノーマン」のハニカムスクリーンです。カーテンは最後に決めたので、ショールームに床材と壁紙のサンプルを持ち込んで、合わせながら選びました。



仕上げの素材はほとんど私が選んだのですが、部分では好みや希望をお伝えできても、トータルの仕上がりがイメージできず、サンプルを複数提案してもらって、ショールームに足を運んで確認することを繰り返しました。キッチンや収納の扉の造作などは白で統一していますが、これは山田さんからの提案です。グレーやベージュを基調とした空間を、明るく引き立てるポイントとして上手くまとまっていると感じています。

また、キッチンのカウンター側の壁など光が当たるところには、天然石のタイルを使って、陰影を美しく強調しています。上からの間接照明が効いている洗面の壁にも、テクスチャーのあるタイルを張ってもらいました。

間取り・プランを見る

  • 専有面積: 95.58㎡
  • 間取り: 3LDK
  • 既存建物竣工年: 2001年
  • リノベーション竣工年: 2017年

存在感のある民芸家具が出迎えるホテルのような玄関。そこを入ると正面に子ども部屋、左に寝室、右に廊下が続く。廊下には子ども部屋から続くゲストルームの入口、洗面室・浴室、トイレなどが並ぶ。その先には23畳強のLDKが広がる。キッチンから洗面室へと続く動線、子ども部屋からゲストルームへとつながる動線もある。この2つの回遊動線が、家に広がりと開放感をもたらしている。

PROJECT MEMBER

  • 株式会社リビタ 
    「リノサポ」コンサルタント 斎藤大輔


    一級建築士/アスベスト取扱作業従事者

    商空間設計施工会社に入社し、昼夜問わずデザイン設計業務に従事。その後、住宅リフォーム会社にて営業を経験ののち、2015年よりリノサポコンサルタントへ。
    建築士目線での物件選定をはじめ、お客様に合わせた空間・インテリア提案を行い、質の高いリノベーションを提案します。都心で希少な100㎡を超える邸宅マンションを紹介するサービス「R100 TOKYO」も担当しております。
  • 設計

    atelier etsuko 山田悦子