お宅拝見

親子が暮らしやすい導線と空間<1/3>

お互いに転職をきっかけに上京したOさんご夫妻。将来的にはおふたりの出身地である関西に腰を据えるという前提で、都内で中古マンションを購入しフルリノベーションしました。終の住処が前提ではない住宅購入に踏み切った理由や、子育て世帯が快適に過ごせる住まいづくりへの工夫には、参考になる点が沢山見られます。



賃貸ニーズの高い街選びと
コストを抑えた中古物件探し


——これから先ずっとこちらのお宅に住む予定ではないとお聞きしましたが、それでも住宅を購入しリノベーションをしようと決めた理由を教えてください。


奥さま:私は正直、東京にいる間は賃貸でいいと思っていました。住宅購入は“一生に一度の大きな買い物”という認識があったので、主人から“資産と捉えた住宅購入”を考えてみないかという提案を受けるまでは、今すぐマイホームの購入を検討する必要はないと思い込んでいましたね。子どももまだ小さいので、賃貸でも10万円前後の賃料の部屋で問題なく暮らせると思っていました。
 
ご主人:たとえ、あと数年でも東京で暮らすのに高い賃料を払い続けるなら、自分たちが本当に住みたいと思える家を作って暮らし、いざ移住する時が来たら賃貸に出すという方法もあるのではと考え始めたんです。子どもの誕生も大きなきっかけで、将来のためにも自分たちの資産となる不動産を所有すること自体にも意味があるのではと思いました。



——将来的には賃貸に出すという前提で中古マンションを探し始められたのですね。物件選びの中で、おふたりが重要視されたのはどのような点だったのでしょうか?

ご主人:
まずは自分たちの身の丈に合った予算内で購入可能かどうか。そして、賃貸で住むのに人気の高い街や地域であるかどうかを重視しましたね。他にもマンションの耐震性や子育てに適した環境であるかどうかも考慮しました。これらのバランスがちょうどいいなと感じたのが、武蔵野市にある1982年築の中古マンションでした。1981年6月に耐震基準が新しくなっているのですが、よくよく調べるとギリギリ新耐震基準だったことと、50~65平米程度は賃貸で貸しやすい広さということも大きなポイントでした。

奥さま:それ以前より賃貸で住んでいた武蔵野市は子育て支援も充実していて、井の頭公園や武蔵野中央公園も近く、子どもを育てるにはとても暮らしやすい環境だと感じていました。今の家は三鷹駅や吉祥寺駅が徒歩圏内というのも便利で好立地です。

ご主人:実はこのマンションは、土地が借地になっているので他の物件に比べても約7割ほどに価格を抑えられています。借地権のマンションは、武蔵野エリアには多いようです。



——住宅を購入しようと考え始めた当初から、新築ではなく中古マンションをリノベーションしようと決められていたのですか?
 
ご主人:コストを抑えられること以外にも理由は沢山ありました。まずは、自分たちの暮らし方に合わせた間取りにできること、また元々ふたりとも建物やインテリアが好きなので、自分たち好みの素材やテイストを取り入れられること。また、工夫次第で物件自体の価値も高められるのではと感じていました。例えば、機能面では断熱性や防音性を高められる二重窓にしたり、リビングの床は自分たちで家を作るときにはこうしたい!と決めていたヘリンボーン張りにしました。

間取り・プランを見る

  • 専有面積: 67.20㎡
  • 間取り: 2LDK
  • 既存建物竣工年: 1982年
  • リノベーション竣工年: 2015年

ベビーカーも置きっぱなしにできる土間、寝室と共用廊下に面した窓の間に挟まることで人の往来も気にせず、光と風だけを採りこめる。収納は各居室には設けず、ファミリークローゼットに集約することで効率的な動線と間取りに。風呂⇔洗面室⇔クローゼット⇔廊下と回遊できることで生活動線に幅が生まれる。キッチンには生活感を極力出さないよう、パントリー(食品庫)を設けている。

PROJECT MEMBER

  •  株式会社リビタ 
    「リノサポ」コンサルタント 大嶋亮



    宅地建物取引士/既存住宅アドバイザー

    兵庫県生まれ。商空間の設計施工会社で営業、現場管理、設計などを経験。その後、建築設計事務所へ転職し住宅・店舗設計を担当。2008年に株式会社リビタへ入社。
    リノベーションの得意な不動産コンサルタントとして、建築的な知識・目線、不動産知識・経験則を活かした売却戦略や賃貸など中長期的な目線で、一人ひとりに最適な暮らし方や住まい方を提案いたします。
  • 設計

    monotalk
    佐藤祐樹