お宅拝見

オーダーメイドと既製品<1/3>

整えられたのは、無垢の床や合板の壁で構成されたハコと設備だけ。「西荻窪の家」は、内装に関わる素材やパーツ、職人サービスなどを集めたウェブショップtoolbox(ツールボックス)アイテムを使って、住む人自身が空間を編集していく一戸建てです。そのハコや家の買い方に共鳴し、見てすぐに購入を決めたというSさんご夫妻。「西荻窪の家」を担当したtoolboxマネージャーの一杉伊織さんにも加わっていただき、住み手が主体的に進めていく家づくりのプロセス、またそこに深く関わっていくことで感じた思いなどをお聞きしました。



自分たちにとって理想的な
家の買い方が目の前に現れた


——「西荻窪の家」は、木造2階建てのリノベーション済み一戸建てですが、販売時には上下階ともに仕切るものが何もないワンルーム状態のハコでした。その物件価格には、100万円分の内装費用が含まれ、toolboxのアイテムを使って、ご自身で壁や収納、パーツなどをセレクトできるという、ちょっと変わったシステムですよね。最初にこの家を見たときはどう思いましたか?


▲当初は、何もない空間に階段、水まわりなどの設備だけがある状態だった。

奥さま:とても嬉しくて、夢が膨らむ感じでした。初めて見に来たその日に「買おう!」と思ったほど気に入ってしまったんです。西荻窪にエリアを絞り、中古の戸建てをリフォームしようと、物件を探していたのですが、壊したりつくり直したりする必要がなく、構造の安全性や環境機能が満たされたハコがすでに出来ていて欲しいものを付け足していけばいいだけという状態なので、楽しいところだけ考えられるというのがいいなと思いました。私たちにとっては理想的な家の買い方が、目の前に出現したような気持ちでしたね。
 
——「西荻窪の家」はインターネットで見つけられたんですよね?
 
ご主人:そうです。間取りの概念がないからか、間取りで検索したときには引っかからず、平米数で検索したときにたまたま出てきました。最初は間取りの概念がなくて、ちょっと変わった家だなと思ったのですが、気になってとりあえず見に行ってみることにしたんです。でも写真がいい感じだったので、「これは!」という直感はありましたね。



——写真や実際の空間を見て、ハコとしても魅力を感じたということでしょうか?
 
奥さま:一般的な新築のツルッとした真新しさでは物足りなさを感じます。ここでは壁のほとんどが合板で仕上げられている荒々しい感じや、他にはない印象に惹かれました。でも、直接足に触れる床には無垢材が使われていて、水まわりの設備などはきちんと整えられているところもいいなと思いました。壁には何も仕上げがされていないけれど、塗りたくなったらいかようにでも塗っていいというような寛容さや、失敗しても受け入れてくれそうな「おおらかさ」にも魅力を感じました。

間取り・プランを見る

  • 専有面積: 85.53㎡
  • 間取り: 1LDK
  • 既存建物竣工年: 1984年
  • リノベーション竣工年: 2015年

玄関は奥行きのある洗い出しの土間。その横に唯一の個室である家族の寝室がある。土間の先はオープンな空間で、現在は置き畳を敷いて和室として使っているが、将来的には何らかの仕切りを設け、子ども室をつくる予定。階段を挟んで壁側にトイレ、洗面、バスルームなどが並ぶ。2階は仕切りのないワンルーム。階段を挟んで、LDKと本棚がある書斎のような場所としてゆるやかに使い分けている。Sさんご夫妻は、「書斎をガラスなどで仕切ることも検討したが、結果的にオープンなままにして、開放感をキープできて正解」だったと話す。

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