お宅拝見

渡り廊下と並ぶ教室<1/3>

Tさんご夫妻と大学生の長女、中学生の長男。大人4人がそれぞれ勉強や作業をするスペースを必要としていたことから、「昔の小学校のような家」というコンセプトを導き、間取りやデザインにユニークなアイデアをふんだん盛り込んだという。

  

趣味や好みよりコンセプトを重視し、「小学校」というテーマにこだわる

——オークのフローリングを横に並べた廊下が、玄関からバルコニーまで一直線に続いています。かすれた白いラインは、エイジング加工されたラーチ合板ですが、白いテープが貼られた体育館の床のような印象です。LDKのパーケットフローリングの床、子ども室の引戸や室内窓のアンティーク調の型ガラスも、昔の小学校のような雰囲気ですね。これらのデザインはどのような発想から、生まれたのですか?

奥さま:アメリカの体育館で使われていたアンティークの床材を見て、いいなと思っていたのです。青やオレンジなどカラフルなラインが重なっているようなものでした。実用性とコスト面から、採用は見送りましたが、この廊下のイメージはそこから来ていると思います。

ご主人:子供も大きくなりサイズ的には大人4人、全員が作業や勉強をするためのスペースが欲しいと希望していました。プランの方向としては個室が必要となり、細かく区切ることになります。そうすると学校やオフィスのような空間になるだろうというイメージはなんとなく持っていました。

——この廊下はまさに小学校の「渡り廊下」なのですね!

ご主人:「小学校のような家」にしようとコンセプトを決めたことで、そこからアイデアがどんどん出てきました。設計の打ち合せの際も、子ども室は「教室」、リビングは「講堂」、大人のワークスペースは「工作室」と呼んで盛り上がっていたし、子どもたちも一緒になって面白がってくれました。

奥さま:明確なテーマがあったから、ぶれずに最後まで一つの方向性に集約していけたと思います。お互いの好みや趣味から導いていたら、ここまで統一感のある空間にはならなかったでしょうね。

  

ご主人:ワークスペースとLDKの間の棚も、学校の真四角のロッカーのイメージです。最初は木の色をそのまま見せる予定だったのですが、重くなりそうだったので白く塗装しました。デスク前の木毛セメント板の壁は、簡単に押ピンが刺せるのでメモやポストカードなどを貼る掲示板のように使っています。キッチンや洗面室のタイルは昭和っぽい雰囲気。洗面器は実験用シンクをセレクトして、理科室のような印象にしています。

   

——しかしながら、スタイリッシュなセンスでまとめられ、日本の小学校というよりは、アメリカの小学校のようにも感じます。

ご主人:小学校といってもベタな懐古趣味にはしたくなかったんです。和風のしっとりした感じではなく、カリフォルニアのようなカラッとした爽やかなイメージは持っていました。子ども室の壁はコンクリートの躯体を見せているのですが、息子の個室などは、なんとなくアメリカの少年の部屋という雰囲気になっていると感じています。

間取り・プランを見る

  • 専有面積: 96.55㎡
  • 間取り: 3LDK
  • 既存建物竣工年: 2003年
  • リノベーション竣工年: 2013年

玄関からバルコニーまで続く渡り廊下に沿って、2人のお子さまの個室を配置。LDKから続く大人のワークスペースは、パーティションで仕切ってオープンに。リビングダイニングとキッチンは、L字に連なり、洗面室や浴室を経て、玄関へとつながる回遊性のある間取りとなっている。構造壁で仕切られた個室は小上がりの和室にして、ご夫妻の寝室として使用している。

PROJECT MEMBER

  • 株式会社リビタ
    「リノサポ」コンサルタント 森本寛之


    宅地建物取引士/二級建築士

    新築住宅を専門とする設計事務所、商業コンサルティング会社、デベロッパーを経験ののち、2008年に株式会社リビタへ入社。リノサポコンサルタントへ。
    「不動産」と「建築」。2つの職能・領域を横断しながら、お客様に最適な選択を提案いたします。都心で希少な100㎡を超える邸宅マンションを紹介するサービス「R100 TOKYO」も担当しております。
  • 設計

    株式会社キャンプサイト