お宅拝見

素材、色味、直天井。要素の共演から生まれる居心地<1/3>

住宅雑誌などから写真をファイリングして、場所ごとに使いたい素材や色を具体的に設定していたというご主人。そのファイルからは、素材への並々ならぬこだわりが伝わってくる。奥さまも感心するその情熱がつくり上げた空間は、たくさんの素材が共演しながら活かし合う、まとまりのある世界観に仕上がっている。



直天井に足場板。使いたい素材をファイリングする中で出会った、リノベーションという手法。


キッチンのボディや収納、小上がりの和室の壁、通路の壁など、ポイントとなるところに足場板が使われていますね。ところどころ白く塗られていて、とても印象的です。

ご主人: 足場板は絶対に使いたいと昔から思っていたんです。武骨な素材感やくすんだ色が好きで、仕上げの素材には徹底的にこだわりました。雑誌などから写真を切り抜き、場所ごとにファイリングして、使いたい素材の候補を挙げて、設計者の山田悦子さんに相談しました。
 

ご主人が作成したファイリングノート
 
キッチンや洗面室の壁のアンティーク調のタイルもご主人のご希望ですか? キッチンは目地が茶色で、洗面室は白。ディテールへのこだわりも感じます。

ご主人: 海外の古い物件やニューヨークのロフトのような雰囲気が好きだったので、タイルはぜひ使いたいと思っていました。石っぽい素材が好みなんです。茶色の目地はとあるカフェの外観に使われていたタイルを参考にしました。洗面室は小さな空間なので、圧迫感が出ないように白い目地にしています。
 
そういった素材がお好きなのは昔からですか?

ご主人: 学生時代から「いつかコンクリート打ち放しのデザイナーズマンションに住みたい」と思っていて、壁紙や畳、フローリングなどの一般的な内装には魅力を感じませんでしたね。情報収集しているうちに、リノベーションという手法にたどりつき、自分の好きな空間につくり変えられることを知り、とても惹かれました。

この物件でも天井はコンクリートの躯体が、無塗装でむき出しになっていますね。

ご主人: 天井も高くなるので、直天井にすることは物件探しを始める前から希望していました。

奥さま: 実はスケルトンになったときに、雑誌などで見るよりラフな印象だったので、「本当に大丈夫かな?」と思ったのですが、完成してみると足場板などの素材との相性が良く、とても気に入っています。


間取り・プランを見る

  • 専有面積: 66.6㎡
  • 間取り: LDK+ゆるく仕切られた2R
  • 既存建物竣工年: 1985年
  • リノベーション竣工年: 2011年

広いリビングダイニングと対面式のオープンなキッチンを中心に、玄関側にコンパクトな寝室、そこからリビングへとつながるウォークインクローゼットを備え ている。玄関からキッチンへと続く通路に水まわりが配置され、洗面室からはクローゼット側へも抜けられる。寝室から洗面室や浴室へ、洗面室からリビングへ とつながるプランは、パブリックとプライベートを切り分けながら、どちらの側面でも回遊性を発揮する。また、洗面室の鏡はリビングとつながる室内窓になっ ており、景観を見渡す楽しさと開放感も。リビングの一角にある小上がりの和室は、公園の森を見渡すくつろぎの場所となっている。

PROJECT MEMBER

  • 株式会社リビタ
    「リノサポ」コンサルタント 大嶋亮


    宅地建物取引士/既存住宅アドバイザー

    兵庫県生まれ。商空間の設計施工会社で営業、現場管理、設計などを経験。その後、建築設計事務所へ転職し住宅・店舗設計を担当。2008年に株式会社リビタへ入社。
    リノベーションの得意な不動産コンサルタントとして、建築的な知識・目線、不動産知識・経験則を活かした売却戦略や賃貸など中長期的な目線で、一人ひとりに最適な暮らし方や住まい方を提案いたします。
  • 設計

    atelier etsuko 山田悦子