お宅拝見

大きなアイランドキッチンのある住まいで見つけた合理的でシンプルな暮らし方<2/3>

―家を創るにあたって、何かコンセプトはありましたか?

Mさん:とにかく、合理的に、シンプルに、まとめていくということ。将来賃貸することを考えると、出来るだけ「オレ色」を排除したほうがいいだろうな(笑)と考えたのと、暮らしやすさを考えてとんがり過ぎないほうがいいだろうと考えました。「とんがってるけど、先が丸い」ぐらいの、がんばり過ぎない感じが、自分らしくていいなと。田中さんのご紹介で、初めて設計の森本さんにお会いしたときも、一番最初にこうした考え方と、自分の好みやイメージのビジュアルを伝えました。




床、壁、水周りは、白で統一。床も質感を大切にしながら、なるべくシンプルに。

アーキット森本氏:初めてお会いしたとき、「オレ色を抑えてください」と言われて、すごく驚いたのを覚えています。それと同時にイメージをビジュアルで共有できたので、設計を進めていく上でも、Mさんに提案しやすくてとても進めやすかったです。


「合理的にシンプルに」をコンセプトに住まいづくりをされたMさん。物件選びにもそのコンセプトは反映されていました。
一方、自由設計のリノベーションについて。「憧れるけど、大変そう。どう進めるの?」ほとんどの方が初めての体験なだけに、そんな風に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?それに加えて、リノベーションという既存建物を生かした住まいづくりの特性上、ちょっとしたハプニングもつきまといがちです。M邸の設計こだわりポイントとともに、自由設計の進め方、楽しみ方の秘訣を聞いてみました。




―M邸でとても印象的なのは、濃いグレーの壁に白とステンレスが際立つ、大きなアイランドキッチン。 どうして、こういうキッチンにしたのですか?

Mさん:これも、「合理的にシンプルに」というコンセプトから産まれたんです。 キッチンとダイニングテーブルをくっつけてひとまとめにしたら、少スペースで済むかなと思って。 実際に、ご飯を食べたり、本を読んだり、ちょっと仕事をしたり、なんでもここで済ませています! ダイニングの背面にCDや本を入れられる棚もつくったので、導線もとてもよく、気に入っています。 棚は、棚板の高さが調整出来るようになっているので、入れるものにあわせて高さを変えられます。 どれも、合理的につくるというコンセプトを、設計者の森本さんとともに具現化していったものです。



―ダークグレーの壁やキッチンの面材、照明を埋め込んだ換気扇など、シンプルながらスパイスの効いたデザインが、 とても良い感じですね。これもイメージされていたんですか?

Mさん:イメージは持っていたので、森本さんに予め伝え、細部のデザインを提案してもらいながら進めていきました。キッチン周りの壁は、汚れが気になるので、最初はタイルやキッチンパネルも検討していましたが、なかなか気にいったものが見つからず、「塗装で済ますってアリですか?」とこちらから提案したんです。そうしたら、アリだねってことになって、塗装になりました。タイルやキッチンパネルよりコストも下がったし、とても気に入っています。

アーキット森本氏:実は、工事が始まって内装を解体してみたら、予想に反して躯体(コンクリート壁)が出てきてしまったんです。でも、躯体のほうが塗装しやすいので、これはラッキーな予想外でした。キッチンは、Mさんの希望を反映し、オーダーでつくることにしたので、換気扇も、キッチンのデザインに合わせたものをデザインし、オーダーでつくりました。実は、このキッチンの天板と天井から吊るしたステンレスの板は同じカタチ。ちょうどシンクの窪みが、換気扇の窪みに対応します。同じカタチのものを素材違いでつくってもらう事で、コストダウンにもなりました。

―内装を解体してみたら、予想と違った!というハプニング話は、たまに伺いますが、ほかにもそういうハプニングはありましたか?

アーキット森本氏:予想と違ったと言えば、天井ですね。当初、塗装せず、コンクリート打ち放しでいこうと打ち合わせていたのですが、 (天井を)剥がしてみたら、思ったより汚かった。Mさんに報告し、急遽白く塗装することに変更しました。 それと、結構不要になる配管があったので、穴がぽっかりあいてしまったり、配管の跡が残ってしまったりしたのですが、 そのまま残すようにしました。Mさんのセンスで、すごく上手にインテリアに活かしてくれています。


梁に開いていた穴は塞がずに、おもちゃを飾って。

Mさん:塞いだりきれいにすることも出来ると言われたのですが、味になっていいかなと。 こうした偶然の副産物が産まれるのもリノベーションの面白さ、醍醐味ですね。

―リノベーションや自由設計は、予想以上にお金がかかってしまうのではないかという不安の声を頂くことが多いですが、いかがでしたか?

Mさん:天井を塗ることになって、コストはUPしてしまったのですが、キッチンの壁と相殺されました。お金がかかるところはかけて、削れるところは削って、 総予算の中で状況に応じて、柔軟に考えるようにしました。それと、予算の上限を理想の上限と覚悟の上限の2段階に分けて考えました。 理想の上限を目指して進めながら、一方で迷ったときには、覚悟の上限を超えないかを判断基準にしたので、あまり迷うことがありませんでした。 自分でお金のかけどころを決めれるので、納得感がありますよ。 
 

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  • 専有面積: 57.98㎡
  • 間取り: 1LDK
  • 既存建物竣工年: 1983年
  • リノベーション竣工年: 2008年

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