お金とくらし

モデル・高山都さん お金も気持ちも循環させることがみずみずしく生きるコツ

古い住まいをリノベーションした自宅でのナチュラルなライフスタイルをつづった2冊の著書を持ち、インスタグラム(#みやれゴハン)では、料理やスタイリングが人気。モデルに限らずその活動の場は広がっており、多くの女性の共感を集める高山都さん。大切な仲間たちをホームパーティーに招く居心地のいい空間を整え、自分自身のために花を飾るという高山さんに、みずみずしく生きるための住まい方や暮らし方、お金のかけ方や価値観を伺いました。

【プロフィール】
高山都(たかやま みやこ)
1982年生まれ。ビューティーモデル、女優、ラジオパーソナリティーなど幅広く活動。趣味は料理とマラソン。「#みやれゴハン」として料理やうつわなどを紹介するインスタグラムが人気。趣味のマラソンでは、横浜マラソン2016を3時間41 分で完走した記録を持つ。著書に『高山都の美 食 姿 「したたかに」「自分らしく」過ごすコツ。』(双葉社)と『高山都の美 食 姿2「日々のコツコツ」続いてます。』(双葉社)がある。
 


■今いる空間に合わせたら味のあるもの、古いものたちが集まった
 
――高山さんの今のご自宅は、古い建物をリノベーションした住まいだそうですね?
 
入居したときは築35年で、私と同い年だったんです。
 
管理会社さんが工務店で、内覧のときはまさに内装のリノベーション中。「今決めたら、壁の色を選べる」と聞いて、「ここにします!」と即決しました。選んだ壁の色はちょっとブルーがかったグレー。この色は飾ったお花の色がとても映えるんです。
 
たまたま物件に付いていた棚もグレー、もともと持っていた食器棚の色もグレーなので統一感が出ました。
 
――著書に載っているお部屋の写真はカフェかショップのようです。
 
私は決してアンティークの収集家ではないんですよ。前の住まいも築50年のリノベーション物件でした。今いる空間に合わせたら、古いもの、味のあるものたちが集まったんです。



――壁のほかに新居でこだわった点はどこでしょう?
 
窓はブラインドにしました。値段はカーテンのほうが安いと思うのですが、ホームパーティーを開くことを考えて、会場となる場所は「カフェみたいな空間」にしたかったので。木のブラインドを特注しました。大きな窓から明るい陽射しが入る、本当に心地いい空間になりました。
 
一緒に引っ越してきた食器棚はスチール製で業務用です。少し武骨な感じが古い部屋に似合います。
 
新しく購入したテーブルは大きめのダイニングテーブルで、古材でできています。料理が映えるように少し濃い色を選びました。
 
■築50年の家で古いものと調和する暮らしを知った
 
――今までは、どんな住まいを選んできたのですか?
 
若い頃は失敗したことも多かったですよ。あまり治安のよくない場所に住んでしまい、すぐ引っ越したこともあります。
 
当時は20代でしたし、気持ちがまだ外を向いていたんですね。持ち物も多かったですし、せっかく仕事でお花をもらったのに、「どこに飾ればいいんだろう」という感じでした。
 


私の1冊目の本(『高山都の美 食 姿「したたかに」「自分らしく」過ごすコツ。』)にも出てくる築50年の物件に住んだときが転機でした。リノベーション済みで壁も塗り替えてありましたが、「古い家を楽しむにはどうしたらいいだろう」というところから、住まいと向き合うようになりました。
 
お花を飾ってみたり、アンティークの家具や食器で雰囲気に合うものを発見したり、リサイクルショップや骨董品屋さん、蚤の市にも行きましたよ。
 
素敵なカフェに行ったら、雰囲気や質感をインプットするようになりました。その繰り返しで自分の好きな空間を作っていきましたね。詳しい友達に聞くなど、人を巻き込んできたことも大きいです。
 
■将来は料理が映える家を作りたい
 
――次はどんな家に住みたいですか?
 
そのときのライフスタイルに合わせて場所を作っていきたいと思っています。家はリノベーションがいいですね。好きな作家さん、家具屋さんもいるし、友人もインテリア関係の人が多いので、みんなの力を借りて家を作っていきたいです。
 
イメージはあります。テーブルはヴィンテージ感のある木で、きれいすぎないもの。そこにスチールの脚が付いている。木と鉄の組み合わせがやっぱり好きです。ソファーはやっぱりレザーがいいな。
 
色は全体的にトーンが低め。壁は白がいいけれど一面だけ変えることもしたい。私は料理が好きなので、クラフト感があるというか、全体的にぬくもりのある、料理が映える家にしたいですね。



■要らないものと別れることで自分の価値観が分かる
 
――イメージがとても具体的ですね。これまでのご経験でご自身にとって好きなものが明確になってきたのでしょうか?
 
外に向いていた意識が30代になって内にも向くようになってきました。例えば、「流行っているから買う」という価値観だと、自分にとって要らないものが増えてしまいます。
 
自分の好きなものについては、値段が多少高くても「これは価値がある」と分かる。そうした価値観は30代に入ってから変わってきたことですね。
 
私は「『おかわり』のある生活」と呼んでいるのですが、長く使うために、好きなものを少しずつ買い足しています。料理まわりで言えば、野田琺瑯、うすはり、ル・クルーゼなど。値段は高くても、飽きない普遍的なデザインですし、全体の統一感も出てきます。
 
要らないものを持っていたことも、無駄ではなかったと思っています。要らないものたちと別れることで、「自分はこういうものが似合うんだな、好きだったんだな」ということが分かったので。
 
人って、失敗することによって大きくなっていったり、強くなっていったりしますよね。それと一緒で、買って失敗して「ああ、何か違ったな」「似合わなかったな」という経験から、「次はこうやって失敗しないように買おう」と。その繰り返しでいいんじゃないかなと思っています。



■外で人に会うために、家では自分一人の時間を大事にする
 
――自宅で一人で過ごす時間はご自身にとってどのようなものですか?
 
今は文章を書き、ラジオでお話しもしますし、イベントの立ち上げもします。料理もしますしレシピも出しています。表に出る仕事と裏方を両方手掛けるようになり、自分が「何者」かが分からなくなっていますが、それが自分なのだと思えるようになりました。
 
モデルもそうですが、仕事で共通するのは「人と何かを作る」部分です。外でいろんな人と会ってきちんとお仕事をするためには、私自身の時間が大切です。自分のために料理をし、花を飾るといったこともしています。
 
「自分のためによくそんなにお金も時間も使うね」と言われることもありますが、それがあるからこそお仕事をがんばっていられる。時間やお金を無駄遣いしているとは思っていないんですね。
 
一人の時間を大切にすることで心身のバランスが取れ、情報の発信もできますし、クリアな気持ちで人と話すこともできます。
 


ここ数年の目標は、「濁らないようにしよう」ということです。「負の気がたまっている」ということがあると思いますが、クリアな気持ちでいるためには、風通しをよくするとか自分なりの循環させる方法を知っているということがとても大事です。
 
私はマラソンが大好きですが、こうしたライフスタイルはマラソンにも通じるところがあると思います。いつもがんばっていると疲れてしまうので、肩の力は抜きながらゆっくり長く続ける。そうしたバランスがとても上手にとれるようになってきたと感じています。
 
■お金はせっかく使うなら誰かのためになってほしい
 
――最後に高山さんにとって「いいお金の使い方」はどんなものでしょう?
 
「ここは節約できる」「ここはお金をかけよう」というふうに、メリハリを大事にすることがいいんじゃないかなと思います。
 
私はホームパーティーにはお金を使います。外でごはんを食べるときも、けちくさい気持ちは捨てます(笑)。レストランにはさまざまなアイデアがあって勉強になりますし、刺激を受けることで自分の新しい発想にもつながってきます。
 
いいお金の使い方をすると、それが循環する気がしています。それはお金だけでなく気持ちもそうで、誰かが喜ぶことをするといった「いい気持ちの使い方」をすると、まわりまわっていつかは自分にも戻ってきます。
 
ここ数年、そうしたことをすごく感じているので、「使ってみる」ということを大事にしています。まずは自分から使って「もし戻ってきたらラッキー」くらいに思うこと。そうすると後悔もなく、気持ちよく使えるなって。



■「ありがとう」が循環する心地いい場所を作りたい
 
——何事も「循環させる」ことが高山さんのみずみずしさにつながっているのですね。
 
ありがとうございます。年末にお誕生日会をしたんです。私は年末生まれなので、みんなが忙しい日のお誕生日って肩身が狭かったんですね。でも今回は大好きなお店を貸し切りにして、祝ってもらう身ではあるけど楽しんでほしくて。
 
私の大切な人たちが集まり、素敵なお料理を前に「おいしいね」と会話が広がり、初対面同士の人が仲良くなっていました。
 
まさに「ありがとう」という気持ちが循環している場所で「ああ、こんな場所を私は作っていきたいんだ」と強く感じた瞬間でした。

こういうことを家でもやっていきたいですね。
 
取材・撮影 : 2019年1月
撮影場所 : LYURO 東京清澄
writing : 阿部祐子(ライター、エディター)/photograph : 森口新太郎