豊かに暮らすひと

好きな街に住みたいFPが選んだリノベーションの暮らし<3/3>
高橋洋子さん ファイナンシャルプランナー

FPに聞いたお金のはなしー住み続けてきた好きな街で家を買いたい。そんな想いを持つ人は多いことでしょう。でもロケーションの良い場所であればあるほど、予算の面で折り合いがつかないことがあります。フリーランスのジャーナリスト、ファイナンシャルプランナーとして活躍する高橋洋子さんは、長年住み続けた中野区でどうしても家を買いたいと考え、中古物件を購入してリノベーションをするという選択をしました。中野区は新宿まで電車で5~10分の距離でありながら、下町の雰囲気を醸し出すとても住みやすい人気エリア。自宅の最寄り駅から徒歩5分、使える駅は3駅あるという便利な場所に、理想に近い家を手に入れるまでどのような道のりをたどったのか、住まいにどうお金をかけたのか−−。家を購入するときに気になるお金の話について、お金の専門家であり働く母親でもある高橋さんにお話を伺いました。

理想の家づくりと予算の折り合いを上手につけることが大切
 
――リノベーション費用は予算オーバーすることが多いと聞きます。高橋さんは予算内におさまりましたか?
 
予算内におさまるように、担当営業の方とよく話し合って決めていきました。私は3階に大きなルーフバルコニーをつけたかったのですが、それをつけるとプラス2~300万円かかってしまうといわれました。お金が貯まってからつけようと、自分の中で折り合いをつけました。項目によっては後から変えられないものもありますから、優先順位をつけて考えました。

――やはりリノベーション費用は、予算内に収まるようにしたほうがよいものでしょうか?
 
それぞれの許容量はあると思いますし、予算オーバーしても頑張って働いて稼げばいいのでしょうが、あまり出過ぎるのは結局自分の首を絞めることになると思います。
 
生きていれば教育費、医療費など予期せぬ出費が絶対にあるので、そうなると住宅費をフルに組んでいたら身動きがとれなくなってしまいます。またローンを組んで最初の10年で返そうと思っても、意外と子どもに手がかかって思うように働けずに返せなかったりします。あまり余裕のないローンの組み方はおすすめできませんね。
 

リノベーション費用は、追加料金の有無を必ずチェックすること
 
――今回のリノベーションで良い選択をしたと思うことはありますか?
 
私たちがリノベーションのプランで選んだのは坪数×工事費のパッケージプランでした。例えば予想以上に木の腐食があったとしても追加料金を取らないものだったので、見積もりどおりの費用で済みました。いろいろ話を聞くと、最終的に見積もりよりも倍以上の金額がかかったということも聞きますので、パッケージプランなのか、かかった分だけ請求するプランなのかをよく調べたほうがいいですね。


 高橋さん曰く「建物が泣いているように見えた」という内観は、写真からも雨漏りなどで傷んでいることが分かった。

もう一つ、アフターメンテナンスもよく確認したほうがいいです。私がお願いした会社は、24時間365日電話がつながります。最近雨漏りしたんですけど、それも費用負担なしで修理をしてくれました。会社のアフターメンテナンスが頼りになるかどうか、何年保証なのかというところも見たほうがいいと思います。
 
――もしもの時の備えには、どんなことをしましたか?
 
団体信用保険はローンとセットになっているものが多いので、絶対に入るべきです。これに入ったら、それまで入っていた保険の死亡保障を見直して縮小するのもアリかと思います。
 
また特に戸建ては地震や災害に強い備えが必要なので、住宅総合保険に入って、地震保険もオプションでつけたほうがいいですね。最近水害が多いですから、エリアによっては水害にもきちんと対応しているものを選ぶといいと思います。


高橋さんの著書『家を買う前に考えたい!リノベーション』を手に、ファイナンシャルプランナーとしてアドバイスを下さった。



人生にはお金の貯め時がある
 
――これからリノベーションをしようかと思っている人にアドバイスをお願いします。
 
今は私が買った時よりも、中古の戸建てやマンションがいっぱいあります。新築よりも中古に目を向けてみれば、エリアを問わず、割安で理想的な住まいが手に入るようになっていると思います。家の購入資金を新築物件の3分の2ほどの金額で抑えられたら、そのあとの人生に備えられます。ぜひ住宅費を上手にコントロールしていただきたいと思います。
 
また、人生にはお金の貯め時がいくつかあるという話があります。つくづく20代の独身時代は貯め時だったなと実感していますので、貯められる時に貯めておいてください。そして働けるうちに働く。女性なら、子育てが始まると思うように働けなくなるときもあります。自分の可能性に線を引かないで、どんどん仕事にチャレンジすることも大事だと思います。

実際にリノベーションをしようと決めたのなら、第三者の意見をなるべくたくさん聞くことがいいと思います。違う人が見れば費用の面では削れるところがいろいろありますから、じっくり時間をかけて満足できる家にしてください。
 
  
取材・撮影:2018年9月
writing: 吉永麻桔 / photograph:森口新太郎