お宅拝見

機能美と無機質<1/3>

代々木公園のすぐ近くにある築36年の中古マンションをリノベーションしたHさんご夫妻。将来的には、ご実家近くの埼玉に移り住むことも考えているため、賃貸に出すことを意識し、資産価値という視点でエリアや物件を選び、間取りや仕上げも機能美・無機質をキーワードにシンプルにつくり上げました。家づくりを通して、ご夫婦で暮らし方の価値観をあらためて共有することができたと話すHさんご夫妻に、家づくりの過程を詳しくお聞きしました。


55㎡の空間をできるだけ効率的に。
見せる収納としまう収納を分ける


——玄関を入ると、すぐに明るくて広々としたLDKが目に入ります。個室は寝室とキッチンの奥にコンパクトなワークスペース。シンプルな間取りですね。

ご主人:窓が多くてとても日当たりがいいので、光を活かした空間にしたいと希望したんです。LDKが生活の中心になる場所なので、できるかぎり広くしてほしいとお願いしました。
 
奥さま:玄関からLDKが丸見えになるのが気になったのですが、天井にロールスクリーンを設置することで解決しました。玄関で宅配便などを受け取るときは、さっと下ろせば気にならないし、普段は上げておけば広く使えます。
 
——墨モルタルの土間も広い。LDKと一体となっていますが、奥の寝室の際まで続いていて、通り庭のような空間ですね。
 

ご主人:壁につくり付けたオープンな下足棚、ラックを置いて洋服をかけるなど、見せる収納のための空間としても使っています。洋服づくりが趣味なので、作品を飾れる場所が欲しかったんですよね。



奥さま:面積が55㎡強なので、空間はできるだけ効率的に使う必要がありました。靴や洋服などものが多めだと思うのですが、見せる収納としまう収納を分けることでLDKは開放感をキープしたまま、すっきりとした空間にすることができました。ウォークインクローゼットは、十分なスペースを設けたのですが、完全に閉じてしまわず、目隠しするように一部に壁を設け、LDKからも寝室からも出入りできるようになっています。



——しまう収納としては、キッチンのシンク下、キッチンの背面の窓の上に設けた吊り戸棚、洗面室のミラーキャビネットなどですね。
 
奥さま:収納はそれほど多くないですが、食器は出し入れしやすい場所にしまうなど、保管場所を工夫しています。キッチンのすぐ隣にオープンな棚があるのですが、ここは調理中でも出し入れしやすく便利です。
 
ご主人:洗面室も、シンプルなデザインにしています。ミラーキャビネットに合わせて、シンクはオールステンレスをセレクトしました。洗面室は無駄がなく清潔感があって、整然とした雰囲気に仕上がっていて好きですね。

間取り・プランを見る

  • 専有面積: 55.35㎡
  • 間取り: 2LDK
  • 既存建物竣工年: 1980年
  • リノベーション竣工年: 2016年

玄関を入ると土間、LDKが一体となって広がる。玄関の左に水まわり。LDKの奥には寝室があり、完全な個室だが、壁の上部がガラスになっており、土間に面して大きめの窓も設けられているため、空間に連続性があり、抜けと開放感がキープされている。部分的に壁を設けて仕切ったウォークインクローゼットは、LDKと寝室の両方からアクセス可能。キッチンの奥にはコンパクトなワークスペースがある。

PROJECT MEMBER

  • 株式会社リビタ 
    「リノサポ」コンサルタント 大嶋亮



    宅地建物取引士/既存住宅アドバイザー

    兵庫県生まれ。商空間の設計施工会社で営業、現場管理、設計などを経験。その後、建築設計事務所へ転職し住宅・店舗設計を担当。2008年に株式会社リビタへ入社。
    リノベーションの得意な不動産コンサルタントとして、建築的な知識・目線、不動産知識・経験則を活かした売却戦略や賃貸など中長期的な目線で、一人ひとりに最適な暮らし方や住まい方を提案いたします。